大規模な大雨や台風が起きると、街中が水に埋まってしまっている映像をテレビでよく見ますよね。
あのような非日常の映像は、ひと昔前はほとんど目にしなかったと思うのですが…。
ここ数年は毎年のように見るようになっています。
このようなとき、テレビのニュースでは「浸水」や「冠水」や「水没」など、言葉を使い分けてながら、視聴者に災害の状況を伝えています。
それぞれ言葉としては聞いたことがあるけれど、実際にどういう意味があるのでしょうか。
冠水とは、洪水などで道路や田畑が水に浸かること
まず、「冠水」ですが、ふだん水のない場所が洪水などで水に浸かることを言います。
ちなみに、洪水とは、大雨などが原因で河川から増水(氾濫)した水によって陸地が水没したり水浸しになる自然災害のことです。
浸水とは、洪水などで建物が水に浸かること
次に、「浸水」ですが、これは住宅などの建物が水に浸かることです。
水に浸かってしまう現象であることは冠水と同じですが、浸水は「(人がいる場所に)水が入り込んでくる」状態を指すことが多いですね。
玄関前に土のうを設置して「浸水を防ぐ」などと言いますよね。
浸水=水が入り込んでくること、という理解でOKだと思います。
水没とは、洪水などで地上にあったものが水の中に隠れること
「水没」は、冒頭で書いたような状態のことですね。クルマや一戸建てなどが水で完全に隠れてしまう現象です。
冠水や浸水は水に浸かることを指しますが、水没はもっと深刻な状況です。
自分のいる場所で冠水や浸水が発生した場合は、すぐに対策 or 避難をしなければなりませんが、水没はもうどうしようもない…といったところですね。
以上、冠水・浸水・水没の言葉の違いでした。
なお、洪水などの水害から人間の生命や生活を守る取り組みのことを「治水」と言います。主にダムを作ったり、堤防を作ったりして、人工的に水をコントロールしようとする施策です。
しかし、どのような治水対策でも、すべての水害を防ぐことはできません。
平常時に自分のいる場所の洪水ハザードマップを確認しておくことが大切です。
こちらのウェブサイトから全国の洪水ハザードマップにアクセスできます。
ただ、有事の際はアクセスが集中してサイトが満足に見られない状況も考えられます。
また、行政のウェブサイトは得てして扱いづらく、目的の情報になかなかたどり着けないことがあります。
役所から紙の洪水ハザードマップを入手し、自分の住んでいる場所の水害リスクについて、理解を深めておくとよいでしょう。