豪雨や台風などによって、水害や土砂災害などの災害が発生するおそれがあるとき、あなたはどの情報をもとに、いつ避難行動をとりますか?
263名の死者を出した平成30年7月豪雨(西日本豪雨)を受け、政府は水害・土砂災害における防災情報の伝え方を変更しました。
それが「警戒レベル」です。
「住民は、自らの命は自らが守る意識を持ち、自らの判断で避難行動をとる」という基本理念のもと、災害の危険度を住民が直感的に理解し、的確に避難行動ができるようにするため、避難に関する情報や防災気象情報等の防災情報を5段階の「警戒レベル」を用いて伝えることになりました。
下の画像は、5段階の警戒レベル別に状況ととるべき行動を示した図です。
画像は政府広報オンラインのウェブサイトより引用
「警戒レベル3」と「警戒レベル4」を覚えておこう
警戒レベルは、災害発生の危険度が高くなるほど数字が大きくなります。
「警戒レベル2」までは気象庁が発表し、「警戒レベル3」からは市町村が発令します。
特に覚えておきたいのが、「警戒レベル3」と「警戒レベル4」です。
「警戒レベル3」が発令されたら、高齢者や障がいのある人、乳幼児など、避難に時間のかかる人は避難し、それ以外の人は避難の準備をする、ということ。
そして、「警戒レベル4」が発令されたら、対象となる地域住民は全員避難する、ということです。
「警戒レベル3」や「警戒レベル4」が発令されたときは、その地域内の浸水や土砂災害などのおそれのある場所にいる人は、周囲に声をかけ合って、安全・確実に避難をする必要があります。
なお、警戒レベルは、必ずしも1から5の順番で発表されるとはわけではないので、そこも押さえておいてください。
必ずしも全員が避難しなければいけないということではない
ここがものすごく誤解を招いているのではないかと思いますが、「警戒レベル3」や「警戒レベル4」が発令された地域の中でも、浸水や土砂災害などのおそれのある地域にいる人でなければ、ムリに避難行動をとる必要はありません。
そもそも自宅や会社にいるのが安全と考えられるのであれば、そこに留まることが“避難”になるのです。避難所へ行くことだけが避難ではありません。
「レベル3」や「レベル4」が発令されたとき、自分のいる場所が危険なのかどうかを判断することがとても大切だと思います。
ハザードマップは必ず確認しておこう
だからこそ、自分や家族がふだんいる場所は安全なのか否かをつかんでおく必要があります。
平常時にインターネットで各地域のハザードマップを確認しておくとよいでしょう。
以下のサイトから自分のいる地域のハザードマップを確認することができます。
また、時間のあるときに役所に立ち寄り、紙のハザードマップを受け取っておくこともおすすめです。紙であれば、家族一緒に確認することもできますしね。
「警戒レベル」の他に「警戒レベル相当情報」というのもある
ここから下は、時間のある人だけ読んでいただければいいと思います。
「警戒レベル」の他に「警戒レベル相当情報」というものもあります。
画像は政府広報オンラインのウェブサイトより引用
実は、災害発生のおそれがある場合、市町村等から出される「警戒レベル」の他に、国や都道府県から出される「警戒レベル相当情報」というものがあるのです。
「警戒レベル相当情報」は、国土交通省、気象庁、都道府県等が発表するもので、住民が主体的に避難行動を判断するための参考となる状況情報です。
最近よく聞く「大雨特別警報」は「警戒レベル相当情報のレベル5」に当たります。
また、「大雨注意報」は「警戒レベル2」ですが、「大雨警報」は「警戒レベル相当情報の3」です。
なんだかわかりそうで、さっぱりわからないですよね…。
ですから、まずは「警戒レベル」それぞれの意味をしっかり捉えておき、自分や家族のいる地域のハザードマップを平常時に確認しておきましょう。
本当にいつ自分たちの身に自然災害が押し寄せてくるかはわかりませんから…。
東京防災も一度は目を通しておくと勉強になると思います。