この記事は、現在喫煙の習慣があって、禁煙したいと思っているけれど、なかなか禁煙が達成できていない人向けに書いています。
「禁煙する」と宣言し(または心に決め)、スパッと禁煙を達成できる人はあまりお目にかかれません。
多くの喫煙者にとって、タバコを吸うという行為はルーティンであり、なくてはならないものになっているからです。
生活に深く染み込んだ喫煙習慣をバッサリと断ち切るのは容易なことではありません。
知ってのとおり…タバコは「百害あって一利なし」
タバコの健康被害について知らない人は少ないと思いますが、簡単におさらいしておきます。
厚生労働省によると、日本国内で喫煙に関連する病気で亡くなる人の数は、年間で12〜13万人です。
全世界では年間500万人もの人々が、喫煙によって命を落としていると推定されています。
さらに、喫煙はほとんどの部位のがんの原因になると言われています(肺がんだけではないのです)。
がんの他にも、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患、生活習慣病の糖尿病、妊娠周産期の異常(早産、低出生体重児、死産、乳児死亡など)、歯周病など、さまざまな病気の原因にもなります。
喫煙とは、まさしく「百害あって一利なし」なのです。
プチ禁煙を繰り返し、タバコのない時間を少しずつ経験していく
とはいえ、タバコによる健康被害の話は、多くの喫煙者にとって「馬の耳に念仏」でしょう。
なぜなら、みんなカラダに悪いとわかっていて吸っているからです。
それよりも、「口寂しさをどうしていいかわからない」とか「休憩時間に何をしていいかわからない」など、禁煙後の自分の姿を想像しては「禁煙なんてできっこない」と考える人が多そうです。
ですから、まずは小さな禁煙、つまり「プチ禁煙」を定期的に行い、タバコのない時間を少しずつ経験しておくことをおすすめします。
「1時間禁煙」からはじまり、「3時間禁煙」、「半日禁煙」、「1日禁煙」…と進めていくイメージです。
ここで大切なことは、「これはプチ禁煙に過ぎない」と考えること。
仮に、3時間禁煙チャレンジ中の2時間後についタバコに火をつけてしまっても自分を責めないことです。
プチ禁煙はいくら失敗しても大丈夫です。
そのかわり、何度もチャレンジする「習慣」をつけましょう。
タバコのない時間をたくさん経験することが大切なのです。
非日常体験を機に禁煙の「本番」をスタートさせる
プチ禁煙でタバコのない時間をたっぷりと経験すれば、禁煙達成までもうひと押しです。
おすすめなのが、「非日常体験」を契機に禁煙「本番」をスタートさせることです。
結婚式が最適かもしれません。
海外旅行や遊園地、スキューバ・ダイビングなどでもいいでしょう。
非日常体験は、文字通りふだんとまったく異なる刺激を与えてくれます。
体験が終わった後も、なんとなくカラダがフワフワしているような感じがして、余韻が続きやすいのも特徴です。
つまり、心もカラダも、それまでの日常生活と分断されている状態です。
これを禁煙に利用するのです。
非日常体験を境に、禁煙本番の号砲を鳴らすのです。
プチ禁煙でたくさん失敗したから本番ですんなり成功できた
かくいう筆者も喫煙者でした。
禁煙したいという思いを持ちながら、惰性でタバコを吸ってしまう自分自身がイヤで仕方がありませんでした。
2本しか吸っていないタバコをゴミ箱に投げ入れ、数時間後にそれをゴミ箱から拾い上げる情けなさを、この記事を読んでいる人ならご理解いただけるかもしれません(同じようなことを何度も経験しました)。
そんな筆者も、9年前の結婚式の翌日から禁煙し、無事に成功しています。
プチ禁煙にたくさんチャレンジし、多くの失敗を経験していたからこそ、「本番」ですっぱりと禁煙することができたのだと思っています。
この記事を見て、ひとりでも禁煙に成功する人が誕生したら、こんなに嬉しいことはありません。